2023年06月02日

2023(令和5)年 第21週
(5月22日~5月28日)

~感染症予防の基本~
咳エチケット、手洗いが重要

【定点把握感染症】
「ヘルパンギーナ2週連続で前週比2倍を超える増加」
 第21週の小児科・眼科定点疾患の報告数の総計は 2,992例であり、前週比 5.8%増であった。
定点あたり報告数の第1位は感染性胃腸炎で以下、RSウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱の順で、上位5疾患の定点あたり報告数はそれぞれ 6.12、3.86、2.47、1.41、0.91である。

 感染性胃腸炎は前週比 14%減の1,169例で、南河内10.88、三島8.94、北河内7.04、大阪市南部6.44、豊能6.10であった。
 RSウイルス感染症は 4%増の738例で、南河内8.81、大阪市北部5.29、北河内4.54である。
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は 14%増の472例で、北河内4.75、南河内4.44、堺市3.32であった。
 ヘルパンギーナは 155%増の270例で、堺市2.53、泉州2.15、中河内・大阪市南部1.83である。
 咽頭結膜熱は 61%増の174例で、大阪市西部1.40、大阪市東部1.27、泉州1.15であった。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は前週比16%増の797例で、定点あたり報告数は2.75である。
泉州3.32、大阪市南部3.15、南河内3.13、大阪市北部3.05、大阪市東部3.00であった。前週比で80歳以上の報告数、全報告数に占める割合がともに増加した。

~バンコマイシン耐性腸球菌感染症~
2022年の大阪府の報告数は18例であった。

【全数把握感染症】
「バンコマイシン耐性腸球菌感染症」
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、バンコマイシンに耐性を獲得した腸球菌である。
術後患者や感染防御機能の低下した患者では腹膜炎、術創感染症、肺炎、敗血症などの感染症を引き起こす場合があるため、集中治療室や外科治療ユニットなど易感染者を治療する部門で問題となっており、臨床的、疫学的に重要な薬剤耐性菌である。
VREによる術創感染症や腹膜炎などの治療は、抗菌薬の投与とともに感染巣の洗浄やドレナージなどを適宜組み合わせて行う。

大阪健康安全基盤研究所におけるバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)検査
バンコマイシン耐性腸球菌感染症(国立感染症研究所)

【大阪府感染症情報センターより参照】
(令和5年6月1日更新)